朝と夕方、できるだけ散歩をするようにしています。

散歩といっても、何か立派な目的があるわけではありません。


健康のため、と言えばそうなのですが、それだけでもないような気がします。

朝、外に出ると、まだ一日が始まったばかりの空気があります。

歩きながら、今日の予定を考えることもあります。


仕事のことを考えることもあります。


けれど、いつの間にかまったく別のことを考えていたりします。

そうして歩いていると、ふとアイデアが浮かぶことがあります。

机の前で「何かいい考えはないか」と頑張っていると、なかなか出てこない。
それが、歩いていると不意に出てくるのです。

人間の頭というのは、少し放っておくくらいがいいのかもしれません。

夕方の散歩も好きです。

一日の仕事を終えて歩いていると、朝とは景色が違って見えます。


途中で知っている人に会い、立ち話をすることもあります。

ほんの数分の世間話です。


けれど、こういう何気ない会話から、知らなかったことを教えてもらったり、思わぬ話につながったりすることがあります。

道端の草花を見るのも楽しみの一つです。

毎日のように同じ道を歩いているのに、景色は同じではありません。

「あれ、こんなところに花が咲いていたか」

そう思って足を止めることがあります。

昨日咲いていなかった花が咲き、いつの間にか季節が移っている。


忙しくしていると気づかないことを、草花は黙って教えてくれます。

散歩のいいところは、急がなくていいことです。

目的地に早く着く必要もない。


何か成果を出す必要もない。

ただ歩く。

それだけの時間なのですが、頭の中が整理されたり、人と話したり、季節の変化に気づいたりする。

そして家に戻るころには、出かける前より少しだけ気持ちが軽くなっています。

考えがまとまらないときには、考えるのをやめて歩いてみる。

案外、そのほうが答えに近づくこともあるものです。

だから私は、今日も歩きます。